【豆知識】ギターベースの「木材」種類や特徴 | ギター解決.com

【豆知識】ギターベースの「木材」種類や特徴

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解決さん
解決さん

当記事をご覧頂き、ありがとうございます!

この記事ではギターベースの「木材」をテーマに、木材にまつわる豆知識や珍しい木材も含めて詳しく解説しています

木材はギターやベースで、一番大事な部分と言っても過言ではありません!

なぜなら多くのギターやベースが木材から作られているからです


この記事でそれぞれの特徴や理解を深めてみてください!

Ideal Guitars(ギター解決.com+写真)

この記事は Ideal Guitars が書きました

●Ideal Guitars(アイディールギターズ)代表
 津田佳幸プロフィール

 楽器・音楽業界13年、F社, G社, Z社などのギター・ベース製造に携わり1,000本超える楽器製造に関わる。「ギター解決.com」をきっかけにWEB発信スタート。

●経歴
 2019年に独立。新規事業立ち上げを経験、3か月後に売上1000万円を達成。その後の失敗で酸いも甘いも経験。現在、自身の楽器事業・Web事業に力を入れ事業拡大中。

 信念を「次世代への価値創造」とし、自者他者(社)共に尖った価値創造が出来るよう日々邁進。

楽器・音響周辺機器は国内最低価格保証を明示している、サウンドハウスをオススメしています。

サウンドハウス

木材の知識

はじめに、木材と言うのは世界中に様々な種類の木材が広く分布しています。

その中で同じ種類の木材が生産地によって別の名前が付けられることが多々あります。
生産地が違うことで種類が多く感じる側面もあります。(品質も変わってくる側面もあり)

このことをまず頭に置いて木材のことを深く知っていきましょう。

楽器の木材とは

「木材」には、楽器を作るのに適した種類があり、一般的に楽器用として使われている響きの良い木材は「トーン・ウッド」と表現されることもあります。

ギター・ベースの弦の振動をボディに伝える、またアコースティック・ギターの場合はボディの空洞を活用し振動を美しく伝えられるのは良質な木材です。

針葉樹と広葉樹

針葉樹

針葉樹

アコースティックギターの場合、ボディに空洞を作り、その中で音を響かせることが重要なので、材事態が比較的柔らかく音の反響を作りやすい最も適した木材は「針葉樹」とされてきました。

特に「針葉樹」は寒い地域に育つ「スプール」や「シダー」が多いです。
軽くしなやかなため音の響きがよく、金属パーツの響きに耐えられるほど丈夫なので、強い空洞ボディを作るのに適しています。

針葉樹であるスプールやシダーは、アコースティックギターにピッタリな条件に加え、弦楽器でもトップクラスの木材という位置付けとされてきました。

他にも、テンパーテッド・パイン(焼いた松)、ブルー・パイン(ヒマラヤゴヨウ)、ラクウショウ(ヒノキの一種)も針葉樹で、アコースティックギターの木材として用いられます。

広葉樹

広葉樹

エレキギターの場合、ボディのほとんどが木材であり、ピックアップから電気的に音を拾うので「空気の振動」よりも、「弦の振動」をボディへ伝えることが重要になります。

この条件を兼ね備える比較的固くしっかりした材質の樹種は「広葉樹」です。

広葉樹は、暖かい地域で育つので、ブラジル産、アフリカ産の木材が多く用いられます。

Fender系としてよく使われる木材は、アルダー、アッシュ、バスウッド、など
Gibson系では、マホガニー、メイプル、ローズウッド、などの木材です。

その他にもウォールナット、カリン、ポプラといった広葉樹もあります。

木材の水分(含水率)

温度計・湿度計

木材内の水分を表す「含水率」は、木材の重さに対して含まれている水分の量です。

木材を乾燥させることで、強度、特に硬さや耐久性が増すという性質を利用してギター材に使われます。

ギター・ベース用の木材の含水率は7〜8%が適していると言われます。
生活に使用される建築や家具に使われる木材は15%以下です。

この含水率を調整する為に「強制乾燥」「シーズニング」と呼ばれる工程があり、通常は木材屋さんや製材屋さんがこの工程をやり、自社工場でやる会社もあります。
フジゲンは自社工場でやっているよう、こだわりを感じます。

柾目と板目

普段目にする木材は、丸太を縦方向にカットした後の木材になります。丸太の「どこでカットするか」によって名称が変わります。

柾目(まさめ)と板目(いため)は、木材の切断部分によって異なる木目の現れ方の違いになります。

木目とは木の切り口に現れる年輪のこと。

柾目と板目の違いは、後述の「杢」とは異なります

板目

木の切り口を上から見て、木の表面側の箇所から切り取られ、年輪が横に寝ているものが「板目」で、縞がゆらりと流れたような模様を作り出しています。

柾目

切り口の中央側の部分から切り取られ、断面から年輪が縦になって線状に見えるものが「柾目」で、縦縞が規則的に並んだ模様になります。

追柾目

柾目と板目の間の木目を「追柾目」といいます。狂いが少ない為ネックには追柾目の材がベストだと言われます。

杢(もく)

杢(もく:杢目、フィギュア)は、木目と交差するように現れる模様で、柾目において顕著で直線的に現れ、板目には不規則で複雑に現れます。

特に、トップ材によく使われる素材としてはメイプルが代表的で、

  • バーズアイ
  • キルテッド
  • フレイム(タイガー)
  • スポルテッド
  • バール

これらは、総じて「フィギュアド・メイプル」と呼ばれます。

すでに述べましたが、杢と木目とは異なるものです。

杢(もく)について詳しくはこちら↓

ギター・ベースに使われる木材

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ギター・ベースに使われる木材は様々で

  • メイプル
  • アッシュ
  • アルダー
  • バスウッド
  • マホガニー
  • スプルース
  • コア
  • ウォルナット
  • ローズウッド
  • エボニー

などがあります。

筆者の出身地でもあり、ギターやベース用の木材販売で有名な「愛知木材」さんのページを例に見ていきましょう。

メイプル

ソフトメイプルとハードメイプルがあります。

ソフトメイプル

南方で採れるメイプルのことで、ハードに比べて柔らかい材質なので、ハードメイプルに比べると柔らかな音になります。

ただし、柔らかいのでネック材としては使われずボディ材として使われます。

主に、レッド、シルバー及びビッグリーフメイプル、ボックスエルダーなどが当てはまります。

ハードメイプル

アメリカ合衆国北東部からカナダにかけての寒い地方で採れるメイプル(楓)材。

とても硬く高音にハリがあるのでサスティーンを得られ、硬い木材であるためネックや指板に使われます。

該当する樹種は、シュガー、ブラックメイプルなどです。

アッシュ

ホワイトアッシュとスワンプアッシュがあります。

ホワイトアッシュ

主に北米で採れることから「ノーザンアッシュ」とも呼ばれます。

重量があり非常に硬い木材で低音とともに高音が出るため、低音でありながら明瞭な音が求められるベースや多弦ギターに使われます。

スワンプアッシュ

アメリカ南東部でとれ、高音に優れていますがホワイトアッシュほど低音はなく中音域が優れています。

ホワイトアッシュに比べて軽いので「ライトアッシュ」とも呼ばれます。

アルダー

エレキギター・ベースに使用され、その頻度はメイプル、ローズウッド、マホガニーにも匹敵し多く使われます。

比較的柔らかくて、加工しやすい中音域と低音域が優れており、産地はアメリカ、カナダの太平洋側です。

バスウッド

軽く柔らかい木材ですが、キズが付きやすく加工するのにデリケートな材とも言えます。

外見に特徴がないためボディで使われた場合、ほとんど塗装で仕上げられています。

元はアルダーの代用として使われた経緯もあり、アルダーだと思って使っていたギターが、実は「バスウッド」だったという例もあるほどです。

マホガニー

ホンジュラスマホガニーとアフリカンマホガニーがあります。

ホンジュラスマホガニー

中南米ホンジュラス産マホガニーで、乱伐防止のためワシントン条約で規制されているため、現在は入手が難しくなってしまった希少材です。

音は、明るく軽い印象があります。

アフリカンマホガニー

アフリカンマホガニー(センダン科カヤ属)は、属性は異なるが同科種でありマホガニーと同じような木目も見られ特徴も似ているため、入手困難になったホンジュラスマホガニー(センダン科マホガニー属)の代用として使われています。

スプルース

北アメリカやヨーロッパで採れるマツ科トウヒ属の針葉樹です。

さまざまな用途に使われていますが、なかでも高級なものは楽器用として使われ、その用途はピアノ、バイオリンそしてギターです。

産地によってはシトカ、アディロンダック、エンゲルマン、ジャーマンといった区分がされています。

シトカ

北米、特にアラスカ、カナダ、アメリカ西海岸で採れます。

アディロンダック

東アメリカやアパラチア山脈で採れる貴重材です。

エンゲルマン

カナダ、イギリス、コロンビアで採れます。

ジャーマン

ヨーロッパで採れます。

コア

ハワイで採れるマメ科アカシア属の木材で「ハワイアン・マホガニー」とも呼ばれていて、明るく軽い音が特徴です。

ウォルナット

クルミ科クルミ属で北半球の温帯地域に広く分布しており、主な産地はアメリカ、カナダ、ヨーロッパ、そして日本です。

強度が強く、加工性もよく、特にソリやねじれにも強いのでボディトップやネック材としても使われます。

ローズウッド

インディアンローズウッド、ブラジリアンローズウッド、ホンデュラスローズウッド、マダガスカルローズウッドがあります。

インディアンローズウッド

マホガニーと並んでアコースティックギターにも使われる代表的な木材で、産地は広範囲に渡っています。

ローズウッドとされている材のほとんどはインディアンローズウッドで、高音から低音まで幅広い音色でサスティーンに優れていて、くっきりとした硬めの音色です。

2017年ワシントン条約で規制対象に入り入手が難しくなった。

ブラジリアンローズウッド(ハカランダ)

ブラジル、バイア州でしか採れない希少なハカランダとも呼ばれている木材で、重い材質のため中低音に特徴があるだけでなく高音、倍音もバランスよく出します。

絶滅危惧種としてワシントン条約に登録されており、上質な新品は入手不可能になりました。

ホンデュラスローズウッド

中米のホンデュラスで採れたローズウッド材。

硬く重い材質で「ハカランダ」に近いサウンドです。

マダガスカルローズウッド

アフリカ南東のマダガスカル島周辺で採れたアフリカ産のローズウッド。

こちらも「ハカランダ」に近いサウンドです。

ローズウッドの代用品として使われ始めた「パーフェロー」

ブラジリアンローズウッドは絶滅危惧種としてワシントン条約に登録され入手が難しい中、
インディアンローズウッドも2017年ワシントン条約で規制対象に入り入手が難しくなった。

そんな中で、代用品として注目されたのが質感の近い「パーフェロー」。

Fenderメキシコ製のギターやベースにパーフェローを使用したことで、パーフェローが広まったきっかけになりました。

エボニー

成長に期間を要する希少な樹木

特に木芯の「本黒檀」という漆黒の部分が指板として使われ、立ち上がりの良いタイトな高音が特徴です。

その他

上記の他にも、さまざまな木材が使われていますが、珍しいところでは、杉、特に希少な屋久杉、柿など日本の木材も注目されています。

身近な樹種としてあげられるのは、ポプラ、樺、日本産のマホガニーなどです。

また、絶滅危惧種として規制対象に入り入手が難しくなった木材の代用品として新たな木材が注目されることも多々あります。

今後もそういった、新たに注目される木材が増えていくと思います。

まとめ

解決さん
解決さん

同じ木材でも採れた場所や切り出し方、含水率などによって千差万別です

個性があり、まさに生き物のよう

だからこそいろいろなギターやベースを試してみて、自分に合った木材を探してみてください!

解決さん
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