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今回はギターの裏話をしましょう…
美しい杢ギター(トラ目など)はテンション上がりますよね
しかし、杢(フィギュア)の出た木材は稀少と言われる中、かなりの本数のギターが流通しています
これは何故か…
実はこれには木材に秘密があるんです
数千本のエレキギター製造に携わった筆者ならではの話です…
美しいトラ目ギターの真実
何故、杢(フィギュア)の出た木材は稀少と言われる中、かなりの本数のギターが流通しているのか?
結論は…
突板とは何か?
突板とは
特に希少価値の高い銘木、フィギュアドメイプルなどはこの「突板」に加工され、
効率良く、更に製造コストを抑えながら多数の美しい杢のギターになることが多い。
例えば、40mmの厚みのフレイムメイプルをそのまま使うと1本しかできないが、
0.4mmの突板にすると単純計算で100枚ほども取れる(※スライス刃厚があるので実際はもっと少ない)
すべてのギターがこうなっているわけではありませんが、5万円前後のギターやベースではコスト的に突板のフィギュアドメイプルがほとんどです。
木材の価値
私のギター1枚板じゃないなんてショック…
そう思う方も多いかもしれません…
しかし、フィギュアドメイプルの単板が果たして「良い音」でしょうか?…
必ずしもそうとは限りません。
もしあなたが見た目、杢でギターを購入していたなら突板でも単板でも見た目は変わりません。
そもそも完成しているギターをプロが見ても、「突板」か「単板」かを見分けるのは至難の技です。
突板として貼られているかどうかはギターを真っ二つにしない限りわからないので通常は境目を見ます。
ボディサイドの境目
DAITA氏が使用しているで有名な「G-Life Guitars」などは「ナチュラルバインディング」といって、通常バインディングが巻かれる所の木材を着色せず、セルバインディングが巻かれているような見た目を施した技術です。
この場合は木目がボディーサイドまでしっかりと見えることになるので木材は単板でないといけません。材料費もさることながら手間も非常にかかっているのでここまでくると完全なハイエンドギターと言えます。見惚れてしまいますね…
出典:G-Life Guitars | ナチュラルバインディング
バースト系塗装のフィギュアドメイプル
写真のようなバースト系の塗装がされていると、ボディサイド境目で見分けるのは難しいです。
そういう場合はピックアップの座ぐり部分等の境目を見ます。
という事は分解してみないとわからないということ。
結論としては、厚みのあるフィギュアドメイプルの単板は木材の材料としての価値は高いかもしれないですが、突板でも単板でも気にすることなく良い音で好きな音が出せる楽器なら「儲け物」ということです。
実際の突板貼り加工
突板を貼る動画があったので、下記に掲載。
フラットトップのギターにはもちろん、動画のようにレスポールなどのラウンドトップのギターにも突板を貼ることが可能です。
※7:18あたりから
実際、筆者がギター製造に関わっている時もこういった形で突板が貼られていくの目の当たりにしていました。
最初は正直ショックでしたが、今では地球上の限りある資源を活用していくためや、コストを抑えて美しい杢のギターが大勢に届けられるのは素晴らしいことだと思っています
まとめ
今回の話を聞いて、もしかしたらガッカリしてしまった方もいらっしゃるのではないか…
そんな心配もしてしましました…
しかし、ご自身が持っているギターやベースが厚い単板であろうと薄い突板であろうと現在見えている美しい見た目は変わりません
むしろ良い音、好きな音が出せる楽器なら「儲け物」
どうか、楽器を最大限に生かす演奏とメンテナンスに繋がれば幸いです!
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