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「ギターやベースを弾いているとすぐ手が疲れてしまう…」「ローポジションがビビりやすい…」こういった経験でお悩みではないでしょうか?
もしかするとネックの反りが原因かもしれません
ネックの反りは見た目の汚れなどとは違い、見た目だけでは特に問題ではないように思えます。しかし、弾き手にとっては演奏性に大きく関わってきます。「ギターやベースはネックが命」と言う人もいるほど、ネック反りは重要な要素の一つです
ネック反りの調整は簡単そうに見えて実は難易度が高いです
日頃から楽器の状態をチェックし、適切なネック反り調整を行って弾きやすい楽器で演奏しましょう!

この記事は Ideal Guitars が書きました。
●Ideal Guitars(アイディールギターズ)代表
津田佳幸プロフィール
楽器・音楽業界13年、F社, G社, Z社などのギター・ベース製造に携わり1,000本超える楽器製造に関わる。「ギター解決.com」をきっかけにWEB発信スタート。
●経歴
2019年に独立。新規事業立ち上げを経験、3か月後に売上1000万円を達成。その後の失敗で酸いも甘いも経験。現在、自身の楽器事業・Web事業に力を入れ事業拡大中。
信念を「次世代への価値創造」とし、自者他者(社)共に尖った価値創造が出来るよう日々邁進。
ネック反り調整前の「事前知識・準備」
ネック反りについて

まず「ネック反り」と言うのはギターやベースのネックが反っている状態を指します。
通常は、「完全に真っ直ぐ」か「若干順反り」が良いと言われます。
これ以外だと、どこかに不具合が出たり、演奏しにくかったりします。
ネックの反り方は、順反り・逆反り・波うち・ハイポジ起き・ねじれ、など様々です。
ネックの反り方に関して、別記事で詳しく説明します。
ネック反りの種類・詳細↓
反りがおこる原因
「保管環境」と「弦の張力とトラスロッドとの均衡」が主な原因です。
こちらもネック反りの種類・詳細でチェック↓
トラスロッドの仕組み・詳細↓
弦は緩めた方が良い?

結論は「ケースバイケース」
実際のギターメーカーも意見が割れています。
FENDERの公式ホームページで「弦はペグを1〜2度だけ半回しして軽く緩める程度」で良いと書かれています。
2.保管時の弦のテンション
弦はペグを1〜2度だけ半回しして軽く緩める程度で、基本的にネックにかかる弦のテンションは維持しておきます。保管の際はプレイする状態のテンションで弦を張っておく必要はありませんが、逆に(弦を完全に緩めたり外してしまうことで)ネックにテンションが全く掛からない状態では、ネックが反ってしまう可能性もあります。
Fender | 大切なギターを安全に保管するための基本ルール
Taylorの公式ホームページでは「弦を交換する時以外はチューニングを緩めずに保管・使用頂く事を前提としております。」と書かれています。
テイラーギターのネックは弦をチューニングした状態でベストとなるように設計されています。
日本国内ではギターを弾かない際に都度弦を緩める習慣が多く見られますが、Taylor Guitarsでは、弾き終わるたびに弦を緩めてしまうとそのたびにネックに掛かる負荷が変化し、不安定なネックの状態が続くことになってしまい、場合によってはネックの捻じれ等を誘発する原因の一つともなると考えています。
Taylor | ギターの保管管理方法について
ネック反り(トラスロッド)調整方法
狙った反りになるまで1〜3を繰り返します。
(ネックのヒール部分にトラスロッドナットがあるタイプのものはネックを外さないと調整できないため、最初と最後に弦を緩める絞める工程があります)
1. ネック反りの現状確認
ネック反りの見方には3つの方法があります。
ネックの延長線上で目視

ボディ側から目線の高さがフレットと同じくらいになるようにして歪みがないかを確認します。
次にヘッド側からも同様に確認します。
反っていると思ったら後の2つの方法でも確認しましょう。
真っ直ぐの道具(定規など)を使って目視

直線が出ている道具(定規など)を使って反りを確認します。
50cmぐらいの物がオススメです。
弦を押さえて目視

1フレットと「最終フレット」か「ネックジョイント部分のフレット」を押さえ、あいだの隙間を確認します。
2. トラスロッドの調整
トラスロッドの調整場所



画像のようにヘッド側かネックヒール側にトラスロッドナットがあります。
それをマイナスドライバーや六角レンチ、ボックスレンチで回します。
マイナスドライバー
両先端に90度の角度がついており、 テレキャスター等はネックを外さずにロッド調整が可能!
主にMARTINギター用などの5mmトラスロッドレンチ。
主にGibson等に対応する、5/16 インチのボックスレンチ
回転方向と反り方向

トラスロッドは、時計回りに回すと逆反る方向に動きます。
反時計回りに回すと順反るの方向に動きます。
1で確認した反り具合に対してトラスロッドを回します。
30度ずつほど回すなど、慎重にやるのがオススメです。
3. 馴染むまで待つ
トラスロッドを調整してすぐにネックの反りが馴染むわけではないので、トラスロッドの力に馴染むまで待ちます。
リペアマンはさすがに馴染むまで何時間も待てないので、ネックを曲がる力を入れてなじませます。

狙った反りになるまで1〜3を繰り返しましょう!
余談「ネック反り論争」
よくネックの反りに関する論争で、「完全に真っ直ぐが良い」or「若干の順反りのが良い」かで議論されることがあります。

この結論、私は「好み」だと思っています。どちらも「適正値」
こちらの記事のように物事にはすべて「適正値」と「外れ値」に分かれます。一言で言うとバランスが大事だと言うこと
ネック反りに関しては「完全に真っ直ぐ」or「若干の順反り」はどちらも適正値で好みで決めるべきテーマです。
結論が出ないのも当たり前だと思います。
結論、反りのオススメは?
どちらも適切ではありますが、私の経験からお話しします。
どうしても、ネック自体が基本的には木材で出来ているので湿度や温度によって反りが動きます。
その中で完全にまっすぐの調整だと、運悪く逆反り方面に動いたときに弦がビビってしまう問題があります。
また、この図のように若干順ぞりの方が弦の振幅に沿って比較的、弦がビビりにくくなります。

上記2点の理由から「若干の順反り」でメンテナンスを仕上げることが多いです。
ここで「若干の順反り」と言う表現が非常に曖昧な表現になっています。
これ自体はリペアマンのさじ加減によるものだと思います。数値化すると1フレットと最終フレットを押さえて9フレットあたりの弦の高さが 0.5mm前後 です。
あくまで目安の値なのでネックの反り具合や弦高によって調整が変わります。
まとめ
ネック反りの調整はリペアマンの感覚が大事です
簡単に見えますが正直、上級カテゴリーにしようか迷ったぐらい難易度が高いです
しかし難しい調整が出来るようになれば、季節や気温の変化に合わせて調整が出来るので是非マスターしてください!
また、反り調整が終わったら「弦高調整」「オクターブ調整」も合わせてやるのがオススメです!
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